額装の目的はアート作品を保護するだけではなく美しく飾ることも含まれます。
「アート作品とお部屋を繋ぐ役割」を担っていると考えているので額装はとても重要なのです。
額装についてよくご質問をいただくのでここで改めてそのプロセスをまとめてみました。
まずはシュミレーションツールでイメージのご案内
アートが決まったらバランスのよいフレームサイズを選び実寸大でシュミレーションしていきます。
今回のお客様はベッドルームに飾りたいというご要望でしたのでシュミレーションのインテリアもベッドルームをベースにご案内します。
シュミレーションツールなので細かい色やフレームのデザインは実際とは異なりますがこの段階ではあくまでイメージを持っていただくという目的で確認いただきます。
また、ちょっと気になるアートがあってお問い合わせをいただいたお客様にも無料でシュミレーションツールを使ってイメージのご案内をしておりますのでお気軽にお問い合わせくださいね。何事も視覚に訴えるイメージって大事ですので!
①シルバーホワイトのフレームとクリーム系のマットの組み合わせ。
②ブラックのフレームとホワイトのマットの組み合わせ。
③薄いグレーのフレームとホワイトのマットの組み合わせ。
3タイプでアート作品が放つ雰囲気がそれぞれ異なることがお分かりいただけますでしょうか?
お客様のお好みにもよりますがブラックのフレームはこの場合には主張が強すぎて冒頭に述べた額装の「アート作品とお部屋を繋ぐ役割」が果たせていないような気がします。
そしてマット色はホワイトよりもクリーム系のほうがアート作品や壁との馴染みがよく全体的により優しい印象を与えていますね。
よって組み合わせがベストな①のタイプをベースに実際のフレームとマットのセレクションに入ります。
フレームの種類は多岐に渡ります。材質は一番軽いアルミ製、ほかに木製。
フレームの幅も太いものから1センチ+αくらいの極細のものまで。
お色もゴールド、シルバー、ホワイト、ブラック、無垢など様々。
今回はエイジングのかかったシルバー(写真ではゴールドに見えますがシルバーなのです)と側面はボルドーブラックの施されたシックで高級感のあるフレームを選びました。
アートとお客様のお部屋の雰囲気にぴったりだったのです。
マットのセレクト
マットとはアート作品と額縁の間に挟む薄い板状のもので、厚みや色、テクスチャーはバラエティーに富んでいます。
お部屋に馴染むクリーム色系統を選ぶことが多いです。
マット幅は作品のタイプにもよるので一概には言えませんが目安として片側4-5センチくらいが美しいとされています。
数あるマットの種類の中からアートと額縁にしっくりくるマットを選びます。
パリジェンヌを描いた作品ということもあり、パリの石畳をイメージして一番上にあるテクスチャーの少し入ったクリーム系統のマットを選びました。
たった5センチの余白なのですがマット選びで随分とアート作品全体の印象が変わってくるのです。
ところでマットってどんな役割を果たしているかご存じですか?
例えば・・・
視覚的効果
マットを使うことでアート作品が額縁から浮き出たように見え視覚的な奥行きを感じさせることができます。またアート作品と額縁の間に余白スペースを作ることでアート作品の色合いが際立ち、より魅力的に見えるようになります。
保護の効果
マットはアート作品と直接触れる額縁の内側に置くことでアート作品を保護する効果があります。
フレーミングの助け
マットはアート作品のサイズが額縁にぴったり合わない場合にも役立ちます。マットを使うことで、アート作品を額縁にぴったりとフィットさせることができます。
などの効果があるのでマットなしで額装される方もいますが私は断然マットつきをお薦めしております。
納入後、お客様からご自宅に飾っていただいた様子のお写真をいただきました。
上はベッドルーム、下はリビングルームに飾られた様子。
どちらのお部屋も明るい陽の光が差し込みますが額装の際にはUVカットつきのアクリル板を使用していますので褪色等の懸念なく飾っていただけます。
いかがでしょうか?
特にマットは微妙な色の違いの中からベストフィットをセレクトする作業になるのでお客様からよくヒアリングをして最適なものを提案させていただいております。
最後に・・・
「神は細部に宿る」という言葉をご存じですか?
アートの世界でよく使われる言葉ですが「細かい部分までこだわり抜くことで、全体としての完成度が高まる」と解釈されています。
アーティストではない私が作家が描いた大切なアート作品をもう一段階上のステージへ引き上げるために出来ることの一つが額装だと考えています。
ですので額装にはこだわりを持ってやっております。
額装についてご不明な点があればお気軽にお申し付けくださいね!
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