出典:Olga Prinku Website
モルドバ共和国で育ち、現在は美しい田園地帯が広がるイギリス、ノース・ヨークシャーに暮らすOlga Prinku. 2016年に本物のドライフラワーを使って繊細なチュールにカラフルな刺繍アートを施す、フラワー・オン・チュール刺繍というコンセプトを生み出したパイオニアであり、自然をこよなく愛するアーティストが織りなす美しい世界をご紹介いたします。
Ophelia's Bed (2022). Made with 7 dried plant species. 90cm x 90cm
出典:Olga Prinku Website
元々編み物やリース作りが好きだったOlga. ある日ふとしたきっかけでチュール生地に花を刺繍するようになったそう。私が一瞬でノックアウトされたこちらはなだらかな牧草地の風景にインスパイアされた色彩豊かで抽象的な花畑のキャンバスを創り出すボタニカルタペストリーシリーズからの1作品です。
下地のチュールが見えないほどぎっしり織り込まれた花々はまるで木枠の中で浮き上がっているようにも見えるのです。
Ophelia's Bed (2022). Made with 7 dried plant species. 90cm x 90cm
出典:Olga Prinku Website
0.3mmほどの極細で繊細な花の茎をチュール生地に隙間なく織り込んでいく作業は集中力が要求される途方もなく複雑なプロセスの連続なのです。ですがこの裏面の美しさをご覧ください。見えないところまで丁寧にしつらえているところがOlgaの植物に対する敬意の表れなのだと思います。
Ophelia's Bed (2022). Made with 7 dried plant species. 90cm x 90cm
出典:Olga Prinku Website
近づいて見ると花々たちの美しさに圧倒されるはず!
それぞれの素材の限界と可能性に細心の注意を払うことが求められる彼女の作品には自然界の儚さと強さ、そして人間と自然界との関係が反映されているのです。
Flora Tapestry series
出典:Olga Prinku Website
リナムやデルフィニウムの実、リモニウム・シヌアタム、ベリー類を使用した30cmx30cmから60cmx60cmなどの比較的小さいサイズのシリーズも。
Olgaの作品は森の木々の枝から、繊細で複雑な花びらや柔らかな実まで、私たちの身の回りにある植物のユニークな構造にも目を向けさせてくれるのです。すべての作品は額装されています。
次回は私も大好きなDandelion series(たんぽぽシリーズ)をご紹介いたします。とっても素敵なストーリーがたんぽぽと一緒に織り込まれているのです!
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